料金体系は3つ − タイム&マテリアル、成果報酬型、折衷型

[タイム&マテリアル]

ITサービスの提供に費やす時間と、サービスの提供を通して作成されるモノの価値から構成されます。
かかる時間を見積もり、それに応じた人月分がサービス料金となります。
お客様の業績に対して価格は一定で変動しませんので、後の財務計画に影響は与えません。
役割と責任を事前に明確にしておく必要がありますが、比較的早期に作業に取り掛かることができます。
デメリットはプロジェクトが失敗に終わっても支払いが発生してしまうことです。当然その理由が役割と責任を満たしていないならば、契約不履行ですからお支払いいただく必要はございません。

[成果報酬型]

サービス提供後のお客様の業績やシステムの利用頻度などに応じて価格が決まります。
単純に売上高に対する割合で決めた場合、売上高の増減に応じてサービス料金も増減します。
必ずしも利益と連動しないので、後の財務計画に影響を与える場合があります。
事前にサービス提供開始の取り決めと数値化が可能な成果を定義しておくことが必要です。
デメリットは業績の向上が必ずしもサービスの提供に起因しない場合も考えられますが、明確にできないためそれは考慮されません。

[タイム&マテリアルと成果報酬型の折衷型]

タイム&マテリアルと成果報酬型を合わせたものです。
やはり事前に数値化が可能な成果を定義しておくことが必要です。
成果がある決められた数値を超えない場合はサービス料金は一定ですが、それが超えた場合はサービス料金が増加します。

[コストの高い安いとは]

コストの高安は、ITの導入によってお客様が得られるベネフィットと、ITサービス料金やITシステムを使うための従業員の教育時間などの対比で判断されます。 それは次の3パターンにまとめられます。

(A) お客様にとってのベネフィットがコストを上回るケース
(B) お客様にとってのベネフィットとコストが同じケース
(C) お客様にとってのベネフィットがコストを下回るケース

(A)のケースは実施すべきです。
(B)と(C)のケースはITサービスの見直しが必要です。つまり、ITサービスのレベルがお客様の事業規模と複雑度に対して高すぎないかどうか、または、ITサービスがお客様の課題解決にマッチしているかどうか、ということを確認する必要があります。
前者はITシステムの利用者が数名しかいないのに、高額なコンピューターを導入する例がわかり易いでしょう。また、後者の例としては、コンピューターを使い慣れない従業員に難易度の高いソフトウェアを提供することです。
つまり、事業(経営)、人(従業員)、ITの3者を見極めることがリーズナブルなコストを実現させるのです。

[ベネフィットの数値化]

ベネフィットの算出は容易ではありません。また、経営に大きなインパクトを与えない投資に対して、あまり多くの時間を費やすことも避けたいものです。
もっとも簡単な方法は次の2点を確認することです。

  1. 事業規模の変化:今後数年間の事業規模の変化を最良、最悪、最も有力な場合の3つでシミュレーションします。
  2. 事業の複雑度の変化:事業規模の変化を見る期間は、事業の複雑度が大きく変化しないであろうところに設定します。

例えば、受注処理をIT化するとします。受注時に顧客に必ず確認しなければならないことがありますが、それは販売している商品や顧客特性から3年間はほとんど変化しないだろうと予測を立てます。
次にその3年間の注文数の増減をこれまでの成長率、今後の景気動向、経営目標を加味し、最良、最悪、最も有力な場合を想定します。ここまでできたら後は1つの注文に費やしている時間を人件費から割り出します。

この例えの結果は次の通りです。
1年目は月間100注文、年間で1,200注文あるとします。最良の場合、年率15%で成長します。最も有力なのは、年率10%成長です。最悪な場合、年率マイナス5%成長です。
受注処理は、時給1,000円の従業員が30分かけているので、1つの注文に対して500円かかっています。
この例では、50万円以下なら確実に投資してよい金額でしょう。70万円なら受けるサービスを見直す必要があります。



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